Wednesday, December 2, 2015

The Vision Walkerの旅の終わりに、パタゴニアからずーっと旅を続けて日本に到着したときのことです。
プリミティブな世界から真逆の星に来ちゃったようなショックを感じたのは、ヨレヨレと入ったお蕎麦屋さんで、隣の女性たちが話していた、介護や老後の事情を何気なく聞いた時でした。

その後母にも、「あなた、老後はどうするの。老後のためにいま一生懸命がんばらないと。」と言われて、親心もわかるのですが、パタゴニアでの自然と一体の暮らしで満たされた感覚が、日本で一気に恐怖と不安に変わっていったのをよく覚えています。
いつもいま感じているままに生きてきたわたしには、老後の設計なんてもちろんありませんから、老後の準備が必要な世界にエネルギーを合わせると、一気に不安になるのです。

そんなときふと、パタゴニアで菊池木乃実ちゃんが、毎朝猫がハントしてくる小動物の死骸を、屋根の上にのせておくのだ、と言ったことを思い出しました。
その時も、猫のキティの出産で、一匹だけ生きられなかった子猫の亡骸を屋根の上にのせたら、あっという間に鳥がやってきて、きれいになくなっていました。

「木乃実ちゃん、もしわたしがもう生きられないとわかったら、パタゴニアに行くから、原始の森にわたしのからだを置いてくれる?」
「もちろんいいよ。paulは自分で作ったアースバッグのピラミッドの下がいいと言うけど、mikaさんは森でいいの?」

わたしの最期をどう終えるのか、というアイデアは、こうして木乃実ちゃんが二つ返事で受けてくれて(笑)、じゃあその日がくるまで、やりたいことを一生懸命やればいいねーという気持ちになり、不安がふわっと消えていきました。
(その後、keiko forestが”そんな遠くまで行かなくても、ハワイでやってあげるから”と言って、さすがこの人たちは…❤と思ったものです)

システムの中では、病気になったら病院、死を迎える時は葬儀と、あまり深く考えずに行動していることが多いけれど、どう生きて、どう死を迎えるのが一番自分らしいのかを考えてみるのもいいと思います。
最期まで自分らしい人生のデザイン。
どうでしょう。


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